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Vol.34 華麗なバロックと甘美なチョコレートの街、モディカ その1

アルジタル シチリアレポート モディカ

アルジタル シチリアレポート モディカ

2月に入って、巷はバレンタイン、チョコレートムードでいっぱいではないかと思いますが、

シチリアのモディカの街はチョコレートの街として有名です。

アルジタル シチリアレポート モディカ

モディカのチョコレートはアステカから伝わった古い製法を基にしていると言われるものです。

アステカのチョコレートはどんなものだったのでしょうか。

 

紀元前10世紀ごろすでにマヤではカカオを栽培していました。

飲料として、唐辛子で香りづけ、強壮ドリンクとして愛飲されていました。

語源はマヤ人語のKAKAW(カカオと発音)、渋いという意味のKaj、抽出したものという意味のKawの二つの言葉、それに水という意味のATL、それらが合わさってcacahuatlと呼ばれていました。

 

マヤ文明が滅びた後も、cacahuatlはxocoatlとして、アステカの人々が崇拝する神Quetzalcoatlからの賜物としてチョコレートは崇拝されていたのです。

 

カカオの豆は日常の食生活だけでなく、宗教や治療の目的、さらには、貴重であることからなんとチョコレートは通貨として使われるという経済的な利用まであったのです。

 

インディオの人々にとっては身体や心のあらゆる病気を癒す奇跡の万能薬としても使われてきました。

湿疹、下痢、腹痛。。。(なんかチョコレート食べ過ぎたらそうなりそうな気がするのですが。。。。。。)

 

コロンブスにより、チョコレートはヨーロッパに伝わります。

スペイン人はxocoatlの発音がうまくできず、chocolateと呼び、それでいま世界中でチョコレートと呼ばれることになったのです。

 

1546年にミラノの歴史家Benzoniが新世界の歴史という著書で次のように記述しています。

 

「Cacauateはあまり大きくない木から採れる、彼らの貨幣である。

日陰と高い気温がないところでは育たないが、陽に当たると枯れてしまう。

その実はアーモンドのようでスイカのような大きな実である。

それを天日で干し、飲む時に挽き鍋に入れて火にかけ石の上で捏ね、

カップに入れて、少しずつ水を足し、唐辛子を入れて、飲む。

人間の飲み物というより豚に与える飲み物のようにさえ思える。」

 

しかし、1735年にCarlo Llinneoはtheobroma cacaoという学名をつけた。

ギリシャ語で神の食べ物という意味です。

 

ヨーロッパに入ってきたチョコレートはここで新たな変貌を遂げます。

ヨーロッパ人は飲みやすいように砂糖を加え、それが現在にいたる甘いチョコレートの始まりです。

 

スペインに伝わったチョコレートは、高級嗜好飲料として貴族階級に広まります。

貴族の次男三男などが高位聖職者となったため、教会修道院にも普及しました。

富裕階級を相手にユダヤ人たちがチョコレート産業を営んでいたのですが、スペインでは当時ストイックなまでのカトリック政策のため、異端審問所などが設けられ、ユダヤ人をはじめとする異教徒はスペイン、ポルトガルをさけ、フランスや南イタリアに移住していきました。

 

シチリア・モディカチョコレートのはじまり

シチリアは13世紀以降スペインアラゴン家が主権を握っていたことからスペインとの関わりも深かったのですが、モディカにもたくさんのユダヤの人々が入植してきたようです。

実際、モディカの人々の苗字にはユダヤ起源のものが多く見られるそうです。

このようにユダヤのチョコレート職人たちがモディカにやってきたというのが一説。

 

修道士たちが広めていったという説もあります。

もともと貴族の多い土地柄、シチリアには多くの教会、修道院が見られます。

貴族系の修道院からチョコレートが伝わっていったというわけです。

そしていつしかチョコレートは一般の人々にも普及していきました。

 

モディカチョコレートの大きな特徴は、混じり物がない!ということです。

 

シンプルなものはカカオマスと砂糖とバニラなどの自然なフレーバーのみ。

口当たりがよくなるよう滑らかにするようなミルクなどが一切はいっていないのでそれだけカカオ本来の香りがします。

アルジタル シチリアレポート モディカチョコレート

なので、このように見た目がザラザラ、素朴な感じです。

口に入れても砂糖のざらっとした感じがします。

 

滑らかなとろけるような口当たりの良いチョコレートに慣れていると

一瞬そのボソッとした朴訥な味にがっかりする方もいらっしゃるかもしれません。

が、香りが違います。

パッケージを開いた途端に、部屋いっぱいにカカオの香りが広がるくらいです。

 

伝統的な作り方では、砂糖とカカオマスが混じり合えば良い程度にカカオマスが柔らかくなればいいということで、温度は35度から高くても40度以上の熱を加えません。

そのためにチョコレートの成分も香りもそのまま残っているのです。

 

上の写真をみていただくとわかりますが、チョコバーは四つに折れるようになっていて、

このひとかけをカップに入れてお湯かミルクを加えるとホットチョコレートドリンクにもなります。

 

次回の「アルジタル シチリアレポート」では、モディカチョコレート探訪レポをお届けします。

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