Vol.37 ロックダウン下のシチリアから その1
COVID-19蔓延で緊急事態のイタリアにおいて皆様から励ましのお言葉をいただいております。ご心配いただきましてどうもありがとうございます。
この場を借りてお礼申し上げます。?
ロンバルディア州で最初の感染者が確認されてから約1ヶ月になります。
あっと言うまに感染が拡大し。最初に感染が広まった北部のロンバルディア州ではそろそろ減少に向かっているという希望のニュースも入ってきていますが、最初の火種地区から全国的に飛び火して、南部ではそう言った北部からの流出者たちが数万人規模で移動したために、これから感染拡大する危険性もあり余談を許さない状況です。
全土封鎖では、仕事に行く、自宅最寄りの店に食料や薬を買いに行く、医者に行く、ペットの最低限の散歩、などはできますが、それ以外は不要の外出と見なされ刑罰の対象となるという厳しいものです。
イタリア人もいまこの緊急事態の重大さとこの規制措置の意味を十分に理解して受け止めています。
助成金の措置、年金の前倒しの支払いなど次々に対応しています。
#IORESTOACASA(イオ・レスト・ア・カーザ:家にいよう)を合言葉に一丸となって頑張っています。
緊急政令によって全国封鎖が始まる前日3/8の夜
「人々は夜中を過ぎる前に出発して行った。都市を出て行くものは重い刑罰下すぞ、家も財産も全て没収だと叫びながら脅しても、貴族たちは続々とミラノを逃げ出し郊外の屋敷へと避難して行くのだった。」
これは17 世紀のアレッサンドロマンゾーニの歴史的小説「許嫁(I Promessi Sposi)」の一節で、1630年ごろにミラノで流行したペストの様式を描写したものですが、まさにこのくだりそのものに、3/8の夜に全国封鎖を発表した途端、休校になった学生、実質的に失業した労働者などをはじめ大量の人々が、駅に殺到し、車に乗り込み、感染拡大地区を後にしました。
感染病は、
1.隔離、
2.発生地区と外部との接触は遮断すること
が絶対不可欠ですが、この大量流失はまさに故郷への土産にウィルスを背負って移動してしまった形となってしまいました。
そんなわけでシチリアにも大量の北の感染拡大地区からの人々がなんと40,000人も入ってきています。
全国封鎖から2週間を過ぎ、各地でじわじわと新規感染者が増加しています。日本のみなさんが思うのと同じようにここもどのくらい無症状感染者がいるかわからないということで、皆不安を抱えながら過ごしています。
しかしながら、外出した時に周りのイタリア人たちを見ていると、皆マスクはしてます、手袋している人も多い、しかし、出入口に消毒剤が設置されていないところも少なくない、またそこで消毒しないで帰る人も多いし、ATMで現金引き出ししてもそのまま消毒せずに帰る人も多いです。マスクもつけたり外したり。。。皆帰宅したら手は洗っているとは思いますが、街の様子を見ていると
詰めが甘い?
これでは感染広まる?
安心できない?
というのが率直な印象です。
このような状況なので、絶対に感染しないぞと万全の体制で外出します。
1週間に一度許可されている生活に最低限必要な買い出しに行く際には極力感染リスクを抑えるために、マスク、眼鏡、手袋をして出かけてます。マスクはもはや手に入らないし、あるなら医療従事者とか警察軍の方とか働く方に使ってもらいたいしということで、自家製マスクで対応してます。オーブン用ペーパーとか、布だとか色々インターネットで紹介してます。
▲テレビやインターネットで紹介された自家製マスクの一例、オーブン焼きに使うペーパーを、山折、谷折り、山折。。。と続けて最後に両端を輪ゴムで留めるだけ。3分でできます。このためでしょうか、今どこに行ってもゴム紐も輪ゴムもありません。
家にあった野菜を束ねるゴム、左が緑、本体白、右が赤、イタリアンカラーです?
その後ゴムがない問題はストッキングを一つ潰して大量確保で解決!
1cm幅くらいに輪切りにしていくだけ。伸縮性もあり耳も痛くない優れものです。色も目立ちません。
腰回りのあたりの大きな輪は右耳と左耳に引っ掛け、顔の部分に布とかペーパーとかを当てる簡易マスクになり結構便利です。
- Author Profile
原 志津子/shizuko hara
シチリア州公認ガイド、日本語通訳。 当地在住14年(2016年時点)になりますが、歴史と文化の薫る、美しい自然のシチリアが大好きです。
日頃よりシチリアを中心に旅行客の皆様をご案内しながら、 素晴らしいシチリアの魅力を少しでも多くの皆様に知ってもらいたいと思っています。
自らも、おいしいものと旅が大好きで、愛車TOYOTA YARISでシチリア中をまわり歩く個人旅行者です。
趣味はシチリアの豊富な食材を使った料理で、得意料理はイカスミリゾット、カポナータ。
http://www.shizukohara.com/