Vol.5 シチリアに来たら絶対食べたい!人気のジェラート&グラニータのお店
夏といえば、やっぱり、ジェラートですね。
ジェラートは日本でもおなじみになったかと思いますが、
アイスクリームをイタリア語でいうとジェラート(Gelato)です。
イタリアンジェラートは日本のアイスクリームと比べると製造過程が少々違うようで、ねっとり感があるのが特徴です。
一方シチリアでは、グラニータも大人気。
グラニータ(Granita)はジェラートと比べるとミルクや卵などをくわえていないので、
脂質が少なくあっさりとした口当たり、カロリーも低め、素材の風味がより際立ち、ジェラートよりはシャリシャリっとした食感です。
地中海式朝食スタイルのイタリアではジャム入りクロワッサン、クリームクロワッサンなど甘いものを食する習慣がありますが、
シチリアでは暑い夏の時期それらが、グラニータとブリオッシュにとってかわられるほど、 夏のシチリアには欠かせないものです。
ジェラートやシャーベットなどのアイスクリームの歴史をひもといてみると… やっぱりイタリア。
古代ローマ時代に高山の雪で飲み物を凍らせたり、雪に蜂蜜や果汁をかけて食していたりという記録もあるとか。
かき氷に近い感じですね。
その後大きな変化を遂げたのが9世紀のシチリア。
アラブ人はこのシチリアにたくさんの恵み、習慣をもたらしましたが、
サトウキビや柑橘類もこの時期に伝わってきました。
シチリアには秋から春先まで雪をいだくエトナ山があります。
▼アーモンドの花咲く早春のエトナ山 (2016年2月)
その雪にレモンと砂糖をかけて混ぜたものが現代のアイスクリームの原型といわれます。
砂糖が加わることによって、氷がソフトに固まるようになったのです。
それでは、シチリアに来たら絶対行きたい!
ジェラートとグラニータのおいしいお店をご紹介します♪
タオルミーナの自家製ジェラート専門店
その名もジェラートマニア(Gelatomania)!
Gelatomania ジェラートマニア
Corso Umberto 7
夏季9:30-23:30 Facebook
毎日お店で作るホームメードジェラート、グラニータは40種類以上。
ジェラートだけでも30以上のフレーバーがあります。
あっさりとしたフルーツ系のフレーバー類、 チョコレート、バニラ、ナッツ類などのフレーバー、
自家製だけに、旬のフルーツを使った季節限定フレーバーもあります。
おすすめは… アーモンド (Mandorla)、ピスタチオ(Pistacchio)、へーゼルナッツ(Nocciola)などのナッツ。
シチリアは、アヴォラ産アーモンド、ブロンテ産ピスタチオ、
山間(エトナ山麓、ネブロディ山地、マドニエ山地などのヘーゼルナッツなど、
ナッツ類が特産なので、これらのジェラートも濃厚な香りです♡
アーモンドというと日本ではローストしたナッツのイメージがまず浮かぶかと思いますが、
シチリアではローストしないものもよく使います。
アーモンドの風味は日本では杏仁豆腐がおなじみですね。
杏仁豆腐は本来アンズの仁を使うから杏仁豆腐なのですが、
日本ではほぼおなじような香りのアーモンドエッセンスをつかっているのです。
どれにしようか迷ってしまいそうですが…
まず、大小さまざまのコーンCono(コーノと発音)かカップCoppa (コッパと発音)をきめます。
頼む前にちょっと味見してみたい場合は
「ヴォッレイ・アッサッジャーレ 【試してみたいフレーバー】」、 Vorrei assaggiare ~ と言ってみてください。
スプーンに一口味見できます。(フレーバー名がわからない場合、指差せばわかってくれます。)
一番小さなコーンやカップでも2種類ミックスも可能です。
一番小さなサイズでもこのとおりです。
続いて、グラニータの美味しいお店がこちら
ジェラートに勝らずとも劣らず人気がグラニーテ。
タオルミーナでグラニーテといえば、バンバール(BAMBAR)。
Bambar
Via Giovanni di Giovanni 45
Facebook
エントランス エントランスも店内も 地元アーティストのジャンモナさんのアートが可愛らしい !
Bambaraさんの経営する店だからBAMBAR。
イタリアってクリエイティブな国なんだけど、ネーミングだけは超単純でストレートなものが多い。
ドゥーモの前にあれば、アル・ドゥオーモ、 駅前なら、Alla Stazione(アッラ・スタツィオーネ)といった具合。
(グラニータ 単数、グラニーテ 複数です。)
テラス席もいつもいっぱい。 店主のサーロさんがオーダーに来てくれます。
このお店では、今日あるフレーバーを 日本語で言ってくれるのでイタリア語がわからなくても安心!
フレーバーは1種類か2種類のミックス。
ただし、レモンとコーヒーなど合わない素材だとやめたほうがいいと言われます。
その他には生クリームを添えるか、ブリオッシュはいるか、を決めます。
こちらはブリオッシュを少しあたためてくれるので、
外側の薄皮がパリっとして中がフワッとしておいしいです。
シチリアでは朝食にブリオッシュにグラニータをつけていただきます。
▼Bambar のメニューがこちら。
1 レモン(夏季)、
2 イチゴ(夏季)、
3 ピーチ(夏季)、
4 アーモンド(夏季)、
5 チョコレート(夏季)、
6 コーヒー(夏季)、
7 オレンジ、
8 マンダリンオレンジ(12月)、
9 ラズベリー(夏季)、
10 パイナップル(夏季)、
11 スイカ(夏季)、
12 メロン(夏季)、
13バナナ(夏季)、
14キウイ(夏季)、
15ベリー類(夏季)、
16桑の実(8月)
17イチジク(8月)、
18リコッタチーズ(夏季)、
19マンゴー(夏季)、
20ヘーゼルナッツ(夏季)、
21ヌテッラ(夏季)、
22ピスタチオ(夏季)、
23ホワイトチョコレート(夏季)、
24ヨーグルト(夏季)
時期によって、7〜24のフレーバーが加わりますが、
午前中は1〜6ぐらいまでの定番フレーバーで、お昼頃からフレーバーの種類が増えます。
おいしそうなグラニーテ… 「今すぐ食べたいよ~!!!」という方に。
シチリア風グラニーテの作り方
家庭でも簡単につくれる「アーモンドグラニータ」の作り方を紹介します。
基本的にはアーモンドミルクを凍らせるだけです。
▼用意するのはこちら
1.Condorelli 社のアーモンドミルク
Condorelli社はカターニア近郊にあるお菓子の会社ですが、ここのアーモンドミルクはとっても濃厚な香り。
スーパーでも買えます。シチリア風グラニータにはシチリアのアーモンドミルクがおすすめです。
2.ハンドミキサー
冷たく凍ったグラニーテの粒をなめらかにするのに使います。
3.広口の瓶
ハンドミキサーが入る大きさ以上のもの。
4.グラニーテを入れる器
グラニーテを盛る前に冷凍庫で冷やしておきます。
5.画像にありませんが、途中でフォークを一本使います。
作り方はいたって簡単。
瓶に5割〜6割ぐらいまでアーモンドミルクを注ぎ、蓋をして冷凍庫に入れるだけ。
家庭用冷凍庫ではカチカチに固まってしまうので、 食べる前に少し外に出して溶かす必要があります。
カチカチに凍る前に一度フォークでザクザクと 固まりを崩して空気をいれておくと後で楽ですが、
カチカチに固まってしまった状態でも、 水を入れたボールに瓶ごといれると少し中身が溶けてきますので、
フォークで突いて固まりを少しほぐしておきます。
さらに時間短縮の小技、凍っていないアーモンドミルクを足すことによって、
中身がより溶けやすくなります。
硬い固まりを少し溶かし、フォークでついているとザクザクになってきます。
フォークが瓶の底まで入って固まりが小さくなってきたら、ハンドミキサーで撹拌します。
これによって、ジャリジャリの食感がなめらかな食感にかわります。
あらかじめ用意しておいた冷えた器に盛るだけです。
(器の周りを水で濡らして冷凍庫に入れれば、すぐに冷えます)
出来上がり。
エスプレッソコーヒーをちょっとかけていただくオシャレな味わいになります。
甘さ控えめのレシピです。 砂糖(グラニュー糖)を足すとさらになめらかな食感に仕上がります。
暑い夏の日のおやつに、ぜひおためしください!
- Author Profile
原 志津子/shizuko hara
シチリア州公認ガイド、日本語通訳。 当地在住14年(2016年時点)になりますが、歴史と文化の薫る、美しい自然のシチリアが大好きです。
日頃よりシチリアを中心に旅行客の皆様をご案内しながら、 素晴らしいシチリアの魅力を少しでも多くの皆様に知ってもらいたいと思っています。
自らも、おいしいものと旅が大好きで、愛車TOYOTA YARISでシチリア中をまわり歩く個人旅行者です。
趣味はシチリアの豊富な食材を使った料理で、得意料理はイカスミリゾット、カポナータ。
http://www.shizukohara.com/