Vol.6 夏の疲れも吹き飛ぶ!シチリアの家庭料理レシピ
日本も残暑が厳しいと思いますが、シチリアも日によっては40度を超える気温を記録しています。
夏の疲れが残って、食欲も落ちている方も多いのでは?
そんな暑さを吹き飛ばすのにオススメなのが、 こちらシチリアの夏の定番ともいえるカポナータです。
カポナータはシチリアの伝統的家庭料理ですが、ナス、パプリカなどを夏野菜を甘酢風味に仕上げた夏のお料理です。
日本ではおなじみの甘酸っぱい味、一般的なイタリア料理では
お砂糖を使う お料理はあまりないのですが、シチリアではお砂糖、蜂蜜などを使うお料理がよくあります。
酸味は胃酸の働きを助け、食欲増進にもつながりますし、
アツアツでなく常温、あるいは冷やしていただくので、夏にぴったりです。
シチリアに砂糖を持ち込んだのはアラブ人、
そして、ナス、トマトは大航海時代にスペインを経由してシチリアに伝わりました。
カポナータはかつて数々の異民族支配があった シチリアならではの歴史が織り込まれたお料理と言えるのです。
それでは、カポナータのレシピをご紹介します。
家庭料理なので、それぞれの作り手によってバリエーションがすごくありますが、
こちらでご紹介するのは私の亡夫のおばあちゃんが作っていたレシピです。
<材料>
・ナス3個 …米ナスあるいは丸ナス、今回使用したものは一個270g〜300gを3個使用
・パプリカ3個 … 赤いものと黄色いものなどを使うと仕上がりの見た目が綺麗です。
今回一個270g〜290gを3個使用。 パプリカは重たいものが実が厚くて良いです。
・タマネギ …高さ8cmぐらいのものを3個使用
・セロリ … 写真のものを一本使用。 葉の部分は今回使いませんが、乾燥させて豆の煮込み時などに使用します
・塩漬けケパー少々…大さじ2くらい
・干しぶどう少々…大さじ2くらい
・松の実少々
・オリーブ少々…10個ぐらい
・砂糖…大さじ1
・白ワインヴィネガー…大さじ3
・トマトソース…400CC
・オリーブオイル…ナス、パプリカを揚げる油
ここでは参考になるように野菜の重さを掲載いたしましたが、 大きさが同じでも重さがけっこう違うので、
実際作る時には重さでなくカサ(大きさ)で判断されたほうが、わかりやすいです。
<下準備>
A:玉ねぎは縦に半分にきったものをザクザクと切り、
セロリも5ミリ幅くらいに刻んでおきます。
ナス、パプリカは一口大に切ります。
切ったナスはあらかじめ塩水につけてアクを抜き、 水洗いした後よく水を切っておきます。
B:塩漬けケパーはコップにお湯を張ったなかに入れて塩抜きをします。
10分以上おいて水洗いしてよく絞っておきます。
オリーブ10個は種を除いて荒い細切りにしておきます。
C:干しブドウはぬるま湯につけて少し柔らかくしておきます。
使う前によく水をきります。
D:コップに砂糖、ワインビネガーを入れて砂糖をよく溶かしたら
水(コップがいっぱいになるくらいの量)をたしておきます。
<作り方>
1.フライパンあるいは中ぐらいの鍋に(アルミ鍋が焦げ付きにくく使いやすいです)
Aのタマネギ、次に細かく切ったセロリをくわえて 塩ひとつまみを加えて焦げ付かないように中火でよく炒めます。
2.1がしんなりとしたら、トマトソース、Cの塩抜きしたケパー、 オリーブを加えて弱火~中火でよく火を通す。
その間にナスとパプリカの素揚げを準備します。
3.ナスとパプリカを素揚げします。 フライパンの底が覆うくらいのたっぷりのオリーブオイルを入れて、
油が熱くなったら(160度くらい)まずナスを揚げ、
残りの油でパプリカを揚げます。
一緒ではなく、別々に揚げます。
厚みの異なったパプリカは微妙に火の通り具合が違うので、
一緒に揚げず、同じ厚みのものだけであげるほうが揚げやすいです。
ナスは油をすうので、オリーブオイルはやや多いかなと思うくらいでちょうどです。
油が少ないと表面が焦げやすいので、オリーブオイルはたっぷりご用意下さい。
手間はかかりますが、手間をかけた分美味しくなりますので。。。
素揚げしたナスとパプリカはよく油を切っておきます。
4.3と2のソース、Dの干しぶどうを併せて フライパンを揺すりなが優しく混ぜ合わせます。
5.全体がなじんできたら、Eのお酢と砂糖を加え、 鍋をかえしながら全体を軽く優しく混ぜながら、照りを出します。
照りがでてきたら、火をとめて松の実をちらしたら完成です。
粗熱がとれたら容器にうつし、冷めたら冷蔵庫で一晩寝かせます。
翌日味が馴染んでおいしくなります。
数日以内にお召し上がり下さい。
夏のお料理なので、冷やしたまま、あるいは常温でいただきます。
ちょっとしたアレンジとして、 ミントを添えると、油を使うお料理で重くなりがちなところ、
消化を助けてくれますし、清涼感が加わり、夏にぴったりです。
ぜひお試しください。
手間のかかるお料理なので、私は時間のある時に大量に作って
(最後に使用しているフライパンは直径30cmです。)
出来立てを保存瓶に入れて煮沸消毒して保存しています。
これならば、食べる日の朝冷蔵庫にいれて冷やし、
瓶を開けたあとは数日冷蔵庫で保存できます。
ぜひお試しください!
- Author Profile
原 志津子/shizuko hara
シチリア州公認ガイド、日本語通訳。 当地在住14年(2016年時点)になりますが、歴史と文化の薫る、美しい自然のシチリアが大好きです。
日頃よりシチリアを中心に旅行客の皆様をご案内しながら、 素晴らしいシチリアの魅力を少しでも多くの皆様に知ってもらいたいと思っています。
自らも、おいしいものと旅が大好きで、愛車TOYOTA YARISでシチリア中をまわり歩く個人旅行者です。
趣味はシチリアの豊富な食材を使った料理で、得意料理はイカスミリゾット、カポナータ。
http://www.shizukohara.com/