Vol.10 ポルチーニキノコ狩 体験記
先月もご紹介しましたが、秋はキノコの季節。
イタリアでは特にフンギ・ポルチーニが、 (ポルチーニ茸=ヤマドリダケ、ヤマドリダケモドキなどいくつかのきのこを総称してイタリアではポルチーニと呼びます)その芳香から珍重されています。
イタリアでもっともポピュラーなきのこはマッシュルームですが、
ポルチーニは他のキノコとは比べ物にならない芳香で イタリアではナンバーワン!とされるキノコです。
種類はいくつかあるようで、栗やブナ、オーク(ナラ)の 森林に多く生息します。
シチリアのネブロディ山地、マドンニエ山地、 エトナ山などはこういった広葉樹に覆われています。
ある程度の湿度と気温条件がそろうと出てくるのですが、 真夏は温度が上がるものの、雨が少なく湿度がないので、キノコは育ちません。
冬の間は比較的雨も多く湿度は十分なのですが、気温が低いのでキノコがでてきません。
…というわけで、盛夏が終わり、雨が降ると、キノコがでてくるのです。
この時期、カゴを持って山にキノコ探しに行く人も多く、
私の友人も毎年キノコを採りに行っているので、 キノコ狩りに連れて行ってとお願いしているものの、
なかなかキノコの都合と私の都合があわず、実現せず。。。 …のままなんと早10年。
今年ようやくキノコ狩りが実現しました!
早朝5時起きで、6時に待ち合わせ。
エトナ山麓のキノコが出てくるだろうと思われる場所まで約50分。
(場所は松茸と一緒で、人には言わない!ので、ご紹介できません、あしからず。)
この日は天気が今ひとつ、朝も雨が降っていましたが、
そのおかげで、こんな幻想的な風景もみることができました!
目的地に到着して、いよいよキノコ狩りで山にはいります。
小雨だったので、濡れないように長靴と山用のレインコート上下、 採集したキノコを入れるカゴを持っていざ、山に入ります。
このカゴにポルチーニがいっぱいになることを期待しつつ…
が、なかなかキノコに出会いません。 でも、森林の散策は面白いものがいっぱい。
キノコが出る時期は栗の季節でもあり、栗はいたるところに落ちています。
ポルチーニをさがす傍ら、やたら目につく栗も、 なんとなく拾ってみました。
そして、この白黒の細いもの。長さ約20cm。 なんだかお分かりになりますか?
これはヤマアラシ(アフリカタテガミヤマアラシ)の棘です!
夜、山道を車で走っていてヤマアラシを見たことがありますが、
突然車が現れて 「慌てて」逃げて行くのですが、
一生懸命走っているんだけどとてもトロイ…(^^;)
ヤマアラシ、もう逃げられないとなると 棘を逆立てて突進してくるとか。
次はいよいよキノコに会える…!?
続きはこちらで。
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原 志津子/shizuko hara
シチリア州公認ガイド、日本語通訳。 当地在住14年(2016年時点)になりますが、歴史と文化の薫る、美しい自然のシチリアが大好きです。
日頃よりシチリアを中心に旅行客の皆様をご案内しながら、 素晴らしいシチリアの魅力を少しでも多くの皆様に知ってもらいたいと思っています。
自らも、おいしいものと旅が大好きで、愛車TOYOTA YARISでシチリア中をまわり歩く個人旅行者です。
趣味はシチリアの豊富な食材を使った料理で、得意料理はイカスミリゾット、カポナータ。
http://www.shizukohara.com/